第46次日本南極地域観測隊  医務室  越智 勝治


南極便り その3

南極での生活も半年がすぎました。南半球は北半球とは季節が逆になるため、これから本格的な冬がやってきます。太陽が見られる時間も日に日に短くなり、6月から7月中旬まで全く太陽の昇らない極夜となります。午前11時から約2時間程度薄明かりがさしますが、残りの時間は真っ暗となります。気温もだんだんと低下し始め、マイナス30度を下回る日もでてきます。
このような環境の中でも越冬隊は観測、研究を実施しています。昭和基地は、オーロラベルトと呼ばれるオーロラが出現する頻度の高い地域に位置するため、オーロラ観測にとても適した場所です。大きな魚眼レンズのついたカメラやテレビカメラを用いた光でみるオーロラの観測の他に、レーダーを用いた電波でオーロラや電離層を探る観測や、地球磁場や電波の観測などがおこなわれています。
天気のよい夜間は肉眼でもきれいなオーロラを見ることができます。緑色をしたレースのカーテンが揺らめくように動いてゆき、裾の部分が赤く染まって見えるときもあります。夜空には天の川や南十字星も同時に見られ、南極ならではの風景となっています。
 9月13日に昭和基地と真和とを衛星回線を使用した南極教室が予定されています。
生徒の皆さんや先生方、同窓会の方々とよりよい交信ができるように準備を進めています。