デジタル化時代に向け

真和メディアクラブ
 
 テレビ番組はそれぞれに役割を持っている。
 あらゆる番組にターゲットとなる視聴者層があり、制作現場ではそのターゲットを意識した番組作りが常になされている。番組のターゲットは高齢者、主婦、OL、サラリーマン、学生など様々だ。例えば「水戸黄門」のターゲットは中高年層だ。
 RKK金曜深夜に放送している若者向け番組をご存知だろうか?
 「若っ人ランド」ではない。
 高校生・大学生がたくさん登場する深夜のストリートバラエティ「はコ。」だ。
 「はコ。」・・・RKKテレビ毎週金曜日二十四時三十五分放送(十五分番組)
 タレントの藤本一精さんと寺原自動車学校からデビューしたテラドルという三人娘が番組のリポーターを務める。そして、高校生に絶大な人気を誇るDJ hughがナレーションを読んでいる。去年の六月の放送開始以来、深夜帯ながら高い視聴率をキープしている。番組のコンセプトは「参加して遊ぶ」、熊本県内の大学生・高校生がたくさん登場する。番組内容は様々。
 街行くカップルに取材し、二人の相性を確かめる質問をぶつける「カップル相性度チェック」、携帯電話で突然友達に電話してもらい、あるキーワード(例 Tバック・Aカップ・勝負パンツなど)を友達に答えてもらう「以心伝心でんわ」、下通りを歩いている高校生三人組をつかまえ、学校対抗クイズ対決をする「ダンスでクイズ」などなどだ。
(いずれも賞金有り)
 「ダンスでクイズ」などは真和高校の皆さんなら楽勝だと思うが、あまりにアホらしいのか、まだ真和の生徒が登場したことはないようだ。
 さて、「はコ。」では今、番組企画として部員がいなくて廃部寸前の体育会系クラブを探している。
 助けて欲しいというクラブがあれば、「はコ。」が責任をもって部員集めを応援する「体育会系クラブ救済企画」だ。他校から部員を引っこ抜いてきてもいい。
 なにやら真和高校にぴったりの企画のように思えてならない。もし、出たいという生徒がいたら、是非私のもとを訪ねて欲しい。特に三年生は入試でたいへんな時期だろうが、どうせ浪人すると考えれば、高校生活最後の思い出にどうだろうか?
 現在ローカル放送局はデジタル化時代に向けて自社制作番組の充実が求められている。 「はこ。」はRKKが自信を持って送る若者向け番組だ。
 真和の生徒・同窓生たちにも奮っての参加を期待する。
二十六期 伊藤和雄 熊本放送勤務
    ◇   ◇
 デジタル放送に続いてIT革命、情報業界はいま、大きな時代の潮流にさらされている。特にITの中核、超高速ネットワークは、経済社会の構造を大きく変えるとささやかれている。
 このネットはハイビジョンの映像を送れるほどの容量があり、サービスが整えば利用者は好きなときに好きな映画を見れるだけでなく、放送番組すらいつでも見れる映像になってしまう。
 また技術の進歩は、パソコンのモニターを紙のように薄い、折りたたんで持ち運べる形にしてしまうことを目論んでいる。これが実現すると新聞を含めた出版業界に大きな影響を及ぼす可能性がある。
 インターネットで垣間見えるIT社会、しかし重要なのはコンテンツ(内容)。デジタル放送にしろ高速ネットにしろ、技術でできるのは電送路だけ、内容ではない。だからネットで流す中身を作る仕事は、これからますます重要になってくるだろう。ただし競争相手はネットワークで全国に広がるから、し烈な戦いになることは間違いないが。
 これまではほとんど会を開かなかったメディアクラブだが、この波に乗り遅れないよう、さらにはこの波を積極的に活用するためにも、情報交換を密にしていきたいと思っている。
(四期・兼武俊秀)